基礎知識
雑草取り(耕す前)
●雑草取り(耕す前)
雑草が多い場合は、土の表面をクワでそぎ落とすように取ります。
図のようにクワを引きながら、土表面を削り落すようにすると、簡単に雑草を取る事ができます。
耕す
● 耕す
通常、畑を耕すのは 種まきや 苗の植え付けをする1〜2週間前に行います。土の中に新鮮な空気を入れるつもりで、畑全面を耕します。
ひと通り耕したら、苦土石灰をまく。石灰のなかでも苦土石灰は、消石灰のように急激なpHの変化をもたらさないので初心者には最適。
良い土を作りたい場合は、堆肥(腐葉土やバーク堆肥)を石灰と一緒にまいてもOK。
石灰などが、土に均一に混ざるようによく耕す事が重要。
この後、土壌が馴染むように1週間このままにする。(この後に、元肥を施肥する)
うね立て、元肥
● うね立て、元肥
石灰などを畑にまいて1週間くらいしたら、うね立をします。 うね立てする際には、土中に肥料(元肥)を入れます。 種まきや植付けする前に与える肥料を「元肥」と言います。 元肥には2種類のやり方があります。(以下参照)
(1) 全層施肥
どんな作物にも使える。
畑全面に肥料を均一にまいて耕す。 その後にうね立をする。土中全体に肥料がいきわたるので、根の小さい小苗でも肥料を吸収する事ができ、根がどこへ行っても肥料を吸収できる。
葉菜類,根菜類,果菜類,全ての作物に使用できる
園芸初心者に最適
(2) 溝施肥
うねの真下に溝を掘り、溝に肥料をまく。その上にうね立てをする。土壌の下の方に肥料があるので、小苗の時期は無肥料で育てるので生育が不安定。ある程度 根が伸びると肥料を吸収する。肥料が無駄になりにくく、肥料が良く効きやすい。
果菜類,根菜類に使用できる。
追肥
● 追肥
追肥は、苗の葉が黄色くなってきたり、肥料切れで元気が無くなってきたら与えます。葉や茎、根に当らないように肥料を与えることが大切です。
また、できるだけ少量ずつ、こまめに与える事が上手な育て方です。(与え過ぎると枯れるので、多施肥は厳禁)
追肥を与える時は、「株間」や「うね肩」に少し穴を掘って、土をかぶせます。 よく効かせたい時は、上から水をかけると肥料が良く効きます。
1度目は株間に追肥、2度目は右側のうね肩に追肥、3度目は左側のうね肩に追肥、…と肥料を与える場所は毎回変えると良いでしょう。
水やり
● 水やり
畑での栽培の場合、通常であれば雨水だけで十分な灌水量です。 しかし晴天が続くような日には、水やりが必要でしょう。
ところが、あまり可愛がりすぎて何度も与えると根腐れを起こしますので注意が必要です。
少し土を指で掘ってみて、中が湿っているようなときは、灌水をしないで下さい。
水やりは、主に早朝か夕方にやります。
日中やると、葉に付いた水滴が レンズの役割をして葉を焼いてしまうので、日中の水やりは避けましょう。
水をやる時は、株元に与えると最適です。
土寄せ
● 中耕
土中に新鮮な空気を送る(根も呼吸している)。 硬くなった土壌(表面)を、クワなどで引っ掻いて 土壌を細かく砕く事。 通気性や透水性が高まり、根の発育促進効果がある。
● 土寄せ
株の根元に土をかぶせる。(中耕でほぐした土をかぶせる)
目的は、風などで倒れないよう、安定させる。 また苗を乾燥から守る。 ネギなどのように、軟白化させる目的の物もある。
種まき (は種)
発芽には、水分が必要不可欠です。 晴天が続くと思われる日は、あまり適しません。
雨上がりや、これから降りそうな日が最適です。 種まきする前には、多少土が湿っていると良いでしょう。
種まきには、いくつか方法がありますが、各作物に合わせた方法で、まくと良いでしょう。
【ばらまき】
小粒の種は、ばらまきが最適。(春菊、小松菜、ホウレン草など)
種の約半分の量を、うね全体にバラバラまきます。 残りは、隙間を埋めるように種をまきましょう。
その後は、覆土(種の上に土を敷く)をして、軽く水を与えます。
【点まき】
大きな種は、点まきが最適。(ソラマメ、枝豆、インゲン、トウモロコシなど)
株が大きく張り出す品種は、株間を多く取る。 1か所に5〜10粒をまく。
【すじまき】
中粒の種は、すじまきが最適。(大根、白菜、ゴボウなど)
土に溝を掘って、溝にそって種をまいていく。
間引き
種を多めにまいて、芽が出てきたら 生育悪い苗を間引き、良い苗を残す。
1回目の間引きは双葉の頃、2回目の間引きは本葉2枚の頃、3回目の間引きは…など、何回かに分けて間引きをする。 3〜4回に分けて間引く事で、生育途中に風などで倒れたり、病害虫に侵される苗以外の良質苗を残す事ができる。
密生した部分を間引く。 風通しを良くしたり、日当たりを良好にできる。
植付け(定植)
植付け前に、苗にたっぷり水を与える。
根を傷めないように、軽く苗を下に傾けてポリポットを引っ張って取りだす。 畑に植えたら、根と土を密着させて、たっぷり水を与える。
植付けは、暑い時間帯は避ける。できるだけ早朝か、夕方が最適。
マルチング
ポリエチレンフィルムやワラなどを、うね全体に敷き、被う事で、土の乾燥を防いだり、地温を保ったり、雑草を防いだりなどの効果がある。
マルチングは、事前に 種まきや、植付け前に行う。
トンネル
苗をビニールで覆い、冷たい風から守ります。 保温効果があり、霜対策などに使用すると効果的です。
また、病害虫を寄せ付けない方法としても効果的です。
支柱の立て方
苗が倒れないように、支柱を立てて生育を高める。
支柱の立て方には何種類かあるが、作物によって使い分ける。
【仮支柱】
苗の植付け時に、苗が倒れないように 株元に斜めに挿す方法
苗が元気に根付いたら、キチンと支柱を立てましょう。
【直立式】
支柱を株元に垂直に立てる方法。 狭いスペースで育てる時などは、直立式が有効。
ピーマン、ナス、トマトなど。
【合掌式】
2本の支柱を交差させます。 風に強いので、丈夫な方法です。
つる性の植物、キュウリやゴーヤなどに有効
【ネット】
これもつる性の植物に有効で、キュウリやゴーヤに最適
誘引
支柱と苗を縛って、「苗が倒れないようにする」 ヒモの結び方。
強く縛らず、余裕を持たせて、八の字にヒモを結ぶ。
黄色は 虫を呼ぶ色なので、誘因に使うヒモの色は、黄色い害を使用する事がオススメ。
わき芽取り
苗が生育すると、次々と、茎(主枝)と葉の付根から「わき芽(脇芽)」が出てくる。 わき芽を伸ばすと、もうひとつの茎(側枝)になり、更に実が成る。
ところが、わき芽を伸ばすと 栄養がドンドンわき芽にも行ってしまい、充実した実が成りにくい。
できるだけ、わき芽は小さい内に摘み取ると、余計な栄養をわき芽に取られずに大きく元気に成長する。
わき芽を見つけたら、早めに摘み取りましょう。
摘芯
ある程度 苗が大きく 背が高く 成長したら、一番上の生長点を摘み取ります。
それまでの栄養が生長点へ行っていたものが、次第に実の成長へ行ったりします。
生育の後半、摘芯する事で 栄養が実にも行き渡り、より長く野菜栽培を楽しめます。